ベストな仕事方法とは|仕事をする上で勘違いしてはイケナイこと
相対目標を絶対目標におとして行く段階で、こんな質問が来ることがある。
「これって、僕は何もしなくても良い目標になっちゃいますよ...」
実は、それで良い。というかそれがベスト。
今回は目標の話から一旦離れて、お金と意識の話。
個人事業をしている人は、人件費=あなたの貴重な時間と置き換えて欲しい。
行動には人件費が関わっている
雇われている人にはなかなか実感することがないが、会社員として活動している時間帯は全て「人件費」という費用がかかっている。
1時間あたり◯円というお金が、会社から“あなた”に発生しているのだ。
個人事業主であれば、動いた分だけお金が発生すると考えるとわかりやすい。
そして1時間でいくら稼いだかをその人件費と比較して、稼いだ金額の方が大きければ「会社に貢献できた」という扱いになる。
そんなことは当たり前でしょ!と思う人も多いだろうが、年棒制で働いている人が多くなった今日、意外なほどにこの認識が抜けている。
ベストな仕事は「何もしないで成果が出る」
1ヶ月の中で、プロジェクトのAに50%の時間がかかり、Bに10%、Cに30%、雑務で10%だったとする。
しかし、稼いだ金額の比率でAが10%、Bが60%、Cが30%だった場合、どう考えてもBの仕事の質は評価するべき内容だ。
しかし、それでも当人としては苦労していないからイマイチ達成感がない。
挙句の果てには「仕事を変えろ」と言ってくる。
人件費的に見れば、Bに関する仕事は見事なものなのにね。
極限を言えば、Bは進捗を確認しているだけで売上が立ちますとか言ったら最高じゃないですか!
疲れもせず、時間を浪費することもなくプラスになる。
これを受け入れ、これを目指すことが本来当たり前の行動のはずなのです。
結果を出すために受け入れる
「努力は必ず報われる」という言葉が一般的ではあるが、報われない努力もあることはみんなが知っている。
では、逆に努力しないで報われるということがあっても良いのではないだろうか?と考えたことはないだろうか?
会社員にしろ、個人事業主にしろ、手をかけた時間が短ければ短いほど、稼いだ金額が大きければ大きいほど、その人がそこに関わる意義は大きい。
努力をしないで成果が出たことについては、それを素直に受け入れることは非常に重要だ。
目標は自分を成長させるために必要だと言ったが、何もせずに目標を達成できたというのであれば掲げた目標を自分の能力が上回っていただけ。
それは自分のしたこと以上に自分自身に価値のあることなのだと自分を認めて欲しいし、同時に周囲も認めるべき事柄です。
「仕事しないで得しやがって」ではなく、「仕事していないように見えるが、価値のあることをやれる能力を持っている」ということを自他共に認めることが重要です。
ええ、とても難しいことですよ。
でも、ひとりでもそうしないと自分も目標に向かって進めなくなります。
「ありがとう」を目標にしない|目標の対価は能力の成長
「“ありがとう”と言われるような仕事をしたいんです!」
よく相談される目標です。
これまでの流れで言えばこれは相対目標になりますが、この目標の立て方が最も相対目標ってどんなもの?というのがわかりやすい話につながります。
「ありがとう」と言われるシチュエーションは具体的か?
「“ありがとう”が目標です」と言われた時に、意地悪にも極端な例で切り返します。
『じゃあ、待ちゆく人みんなが君に振り返って「●●様!ありがとうございます!!」「今日も●●様のおかげでございます!」って言われたい?』
大体の人は、「いや、そういうわけじゃないんだけど...」といいます。
中には「あ、そういう生活もいいですね!」と返す人もいますが、極少数です(笑)
自分がやった仕事によって誰かにお礼を言ってもらうことの極限は、実はそこです。
このイメージが自分の目標と違うというのであれば、それはもっと目標を深掘りする必要があります。
具体的に掘り下げると、結局絶対目標になる
『じゃあ、どういうシーンで誰にお礼を言ってもらいたいの?』と質問すると、徐々に話が具体化してきます。
自分の作成した営業資料に同僚から「ありがとう」と言われたい
その一つ一つを分解して考えていくと、自分がどう成長するべきかが見えてきます。
同僚が私の作った営業資料に対して感謝する瞬間とは、受注が取れた瞬間だと思います。
そうすると、作成した資料の何%が受注に繋がったかに注意を払うようになります。
そのために何をするか、どう改善していけば良いのかを細かく考えやすくなるのです。
私の作った営業資料、お客様にどう反応されているかを聞いてきます!
例えば、受注率70%の資料を作成できるようになる(←絶対目標)。
そのために、同僚の話は注意深く聞き、お客様は何を望んでいるのか・見えないニーズは何なのかまで頭を働かせるような仕事をする。
これって、具体的な行動をイメージできていますよね?
“「ありがとう」がないからやる気がでない”のは間違い
「ありがとう」が目標の人は、割と自分のやることが成果に繋がっていないんじゃないかと悩んでしまう傾向にあります。
しかし、世の中にはトラブルが起こらないことが求められている仕事がたくさんあります。
わかりやすい所では事務職なんかがそうです。
問題がなく、会社が回っていることが一番望まれることで、当たり前に会社が回れば感謝するべき相手がいること自体、気付く人がいなくなります。
トラブルから回復した時は感謝されると思いますが、そんなにトラブルが起きようものならそれは会社としてヤバイです。。。
どのような状況であっても、自分のやる気を保つことができ、成長しているかを実感することができるためにも、相対目標は必ず絶対目標にまで分解するべきなのです。
目標の立て方|まとめ
カテゴリで管理はしていくつもりですが、記事数が多くなってくると一覧性を持たせたほうが良いかなと考えて。
今後は更新の度にこのページも追加していく予定です。
成長するために必要な目標の立て方|絶対目標と相対目標
目標には、自分一人で評価できる絶対評価と、評価の基準を自分以外に設ける相対評価とがある。能力の成長においては絶対評価を設定した方が良い。
人と比べるから具体的な目標が見える|絶対目標は相対目標から生まれる
絶対目標を設定した方が成長を促しやすいが、その絶対目標を設定するときに相対目標を活用するとイメージしやすくなる。
「ありがとう」を目標にしない|目標の対価は能力の成長
目標をヒアリングした際によく出てくる「ありがとうと言われる仕事をしたい」という事例から、絶対目標への落とし込みについて。
ベストな仕事方法とは|仕事をする上で勘違いしてはイケナイこと
目標に向かって行動すると陥りやすい「自分って仕事をしていないんじゃないか?」という感覚。
“努力しないで報われる”ことを受け入れる。
ビジネスの現場に役立つノウハウが足りていないと感じた出来事
2日に1記事のペースで更新してきましたが、今回は土曜日の更新となりました。
せっかくなので、このブログを始めたきっかけについて少し書いてみようかと思います。
仕事をしすぎて挫折した
私は3度転職をしていますが、1つ目の職場ではイケイケでガツガツ仕事をし、2つ目の職場では過労で病院行き→ドクターストップを経験しています。
過労となった原因を分析すると様々なことがありますが、主に「マネジメント力」と「仕事の進め方」の2つが足りていなかったと振り返ります。
そして、そのことも含め、仕事の進め方・基礎を教えてくれる人もいなかったことに気が付きました。
足りないことを教えてくれる人がいなかった
実際社会の中で「あなたにはこれが足りないからこうした方がいい」と教えてくれる人はレアな存在です。違う言い方をすれば、他人を育てる余裕がある人が少ないのです。
他人を育てるためには、自分の経験を理解し、噛み砕いて説明する必要があります。
そのために言葉を整理したり、どうすれば伝わるかを考えたりできる人は、1社に一人もいないことが多いのです。
それどころか、未来のライバルを潰すための仕事をしている人が圧倒的に多いです。
自分で学ぶための余裕もない
そもそもを考えれば、自己実現をしたい!成長したい!と考えるならば自分で知識を得に行くのが普通の発想なはずです。
学習することで次の仕事につながったり、今進めている仕事のスピードや質が上がったりするため、その恩恵を得るために自分から学びに行く必要があるのです。
しかし、新卒であっても学習にあてる時間はなかなか確保できず、また学習しようにも学ぶ教材が多すぎる情報過多のため、どこから手を付ければいいかがわからなくなってしまいがちです。
そして、忙しくなればなるほど残業し、翌日に疲れが残ってしまうために効率が悪化する、という負のループに陥る人が多いです。
勉強するにも本を読む時間がない。そもそもどの本を読めば良いのか、何種類読めば良いのかわからないから手のつけようがない。
新人育成や学生の教育を行っていますが、その中で聞く苦しさ/辛さは私が経験してきたものと似たものが圧倒的に多いです。
そして、意外なほどに“知っているかどうか”だけで乗り越えるきっかけになることが多いのも事実です。
過去に私も感じた苦しさ/辛さを、私の経験や学んだことで回避できる人がいるのではないか。そんな人に、少しでも力になれればなと筆を執っております。
人と比べるから具体的な目標が見える|絶対目標は相対目標から生まれる
前回の記事では「相対目標がダメな理由」を書いています。
しかし、今回は逆に相対目標が優れている点について書きます。
■関連記事:絶対目標と相対目標
人は“比較すること”に慣れている
「あいつよりはマシだ」「●●さんを見返してやる!」「トップを目指す」
何かを基準にしてものを考えること/比較することは、日常的に行われています。
「そば屋Aは安いけど味はそこそこ、そば屋Bはそれなりの値段だが味は確か」
こうした会話でも、そば屋Aの値段は通常の食事代基準で見れば安く、そば屋Bは他の店に比べて満足できる味であることがわかります。
つまり、比較することは人との会話や自問自答する時も、短時間でイメージがわきやすいというメリットがあるのです。
どこを比較したか?比較物との差は何か?
そして、比較する際に何を基準にしていたかが目標を立てる上では非常に重要になってきます。
例えば「業界シェアの1%を獲得する」という場合。
ここで言うシェアとは販売数or売上なのか等、その基準は何かを明確にします。
そして、そこまで自社ではどれくらい足りていないのか?=あとどれくらい伸ばせば目標達成なのか=その数が絶対目標となります。
これは能力の場合も同様です。
「●●さんのように自信をもって説明できるようになる」という相対目標を立てた場合。
自分の説明に自信を持てない原因は何なのかを考えます。
練習量なのか?事前準備なのか?アドリブができていないのか?
すると“どうすればいいか”という行動にまで落としこむことができます。
あとはどのレベルまで自分の行動を深められるか。
説明練習を1日3回し、1回の説明は5分でまとめられるようにする、とまで行くと、自然と行動→成長へとつながっていきます。
目標への進度を明確にするために絶対目標に変換しておく
相対目標はその目標を掲げる意味を認識しやすくなります。
例えば、地ビールメーカーのヤッホーブルーイング社は「地ビールがビール産業にインパクトを与えるために、シェア1%を目標としています」と言うのは、目標とそれを掲げる意味がわかりやすいためです。
自分たちの作った地ビールが、日本のビールの価値観を変えるために必要なシェアとして1%を目標としているのです。
しかし、いざ行動に落とし込もうとした時に「シェアの1%を獲得するって、具体的にいくら獲得すれば良いのか」と頭のなかで変換しなければならないというデメリットが生じます。些細なように思えて意外なほどこの変換ロスは大きいのです。
「徒競走で1位をとるために練習する」を目標を掲げて毎日走るよりも、「100m走で9秒58を出せるように練習する」とした方がわかりやすいし、練習の時にどれ程足りていないか/目標に近づけているのかがわかるのです(ちなみに100m9秒58は2016年時点の世界記録)。
相対目標は「●●さんに憧れて!」などと言える程、すぐに設定しやすいものです。
しかし、目標を掲げているのに実現することができないのは、自分の努力も評価することができないためです。
だからこそ、相対目標を掲げたあとは絶対目標にまで落とし込んだほうが良いのです。