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会社は成長の目的地を定めていない|"慣れ"や"一人前"

引き抜きが決まり、辞める期限が迫ってから学生や新入社員からの相談が増えています。
中には私の担当ではない人からも相談を受けています。嬉しいですね^^

ただ反面、これを教えてくれる人は他にいなかったのだろうか?という不安もあります。

 

ちゃんと育ててくれる人がいない

どの業界でも「人材不足」というキーワードはよく聞きます。
実際、様々な企業の方とお会いすると「誰か良い人材いない?」と相談を持ちかけられることは多いです。

人材不足の会社では、業務に対して人が追いついていない状況が発生しています。
すると、当然ながら時間をかけて人を育てる余裕は無いのです。

こうした環境ですと「仕事は習うよりも慣れだ」「人から盗んで一人前を目指せ」と言われます。
特に若い世代ですと多くの人が慣れを習得できるほどレベルは高くなく、何を盗めばいいか知識がない状況です。

つまり、いつまで経っても育たない状況なのです

 

どう育てたいかという目的地が設定されていない

基本的に、私は学ぶべき知識には2種類あることを教えています。

その違いはどこにあり、そのどちらを自分の力でつけていかなければいけないかを各人に合わせて解説しています。

また、教育する場合は最初は強い武器となる知識を与えます
その知識を使って少し戦えるようになったら、当人自身の強さ=レベルを上げるように仕向けます。

最終的な目的地は、自分自身で物事を考えて作業のとっかかりを見出すこと自分に足りない要素は何かを考えられることの2つです。
ゲームで言えば、戦い方を教えて、どこでレベル上げをすると効率いいかを自分で判断できるようにするイメージですね。

そのように、育てる側も目的地を定めて、そこにどんな知識・経験を提供できるか常日頃、あるいはマニュアル的にでも備えていなければ、仕事に慣れた先に何があるのか、一人前とは何かを説明することすらできません

だから、人が育たないのです

 

ほとんどの会社が勘違いしている

人材不足の会社で求められる基準は、即戦力になるかどうか。
それに対して、紹介される人は人柄が良いことが多かったりします。

つまり、この段階で既に「良い」という意味が能力的知識的優秀ととらえるか、良識あるととらえられるかの違いが起こっています。

また、人を雇う上では雇用者側が優位に立ちますし、雇う側のルール・常識を覚えてもらうために慣れや一人前という言葉は使われがちです。
ですが、その基準がどこにあるかを伝えるだけでも成長は変わってきます

 

基準も無く慣れや一人前という言葉が出た場合、「(何だかよくわからないけど)使えるようになってね」というメッセージです。

学校においては習得度を試験ではかりますが、社会人に求められることの多くが数字を基準にできません

だからこそ、より一層各社が教育について考えなければならないのです