「ありがとう」を目標にしない|目標の対価は能力の成長
「“ありがとう”と言われるような仕事をしたいんです!」
よく相談される目標です。
これまでの流れで言えばこれは相対目標になりますが、この目標の立て方が最も相対目標ってどんなもの?というのがわかりやすい話につながります。
「ありがとう」と言われるシチュエーションは具体的か?
「“ありがとう”が目標です」と言われた時に、意地悪にも極端な例で切り返します。
『じゃあ、待ちゆく人みんなが君に振り返って「●●様!ありがとうございます!!」「今日も●●様のおかげでございます!」って言われたい?』
大体の人は、「いや、そういうわけじゃないんだけど...」といいます。
中には「あ、そういう生活もいいですね!」と返す人もいますが、極少数です(笑)
自分がやった仕事によって誰かにお礼を言ってもらうことの極限は、実はそこです。
このイメージが自分の目標と違うというのであれば、それはもっと目標を深掘りする必要があります。
具体的に掘り下げると、結局絶対目標になる
『じゃあ、どういうシーンで誰にお礼を言ってもらいたいの?』と質問すると、徐々に話が具体化してきます。
自分の作成した営業資料に同僚から「ありがとう」と言われたい
その一つ一つを分解して考えていくと、自分がどう成長するべきかが見えてきます。
同僚が私の作った営業資料に対して感謝する瞬間とは、受注が取れた瞬間だと思います。
そうすると、作成した資料の何%が受注に繋がったかに注意を払うようになります。
そのために何をするか、どう改善していけば良いのかを細かく考えやすくなるのです。
私の作った営業資料、お客様にどう反応されているかを聞いてきます!
例えば、受注率70%の資料を作成できるようになる(←絶対目標)。
そのために、同僚の話は注意深く聞き、お客様は何を望んでいるのか・見えないニーズは何なのかまで頭を働かせるような仕事をする。
これって、具体的な行動をイメージできていますよね?
“「ありがとう」がないからやる気がでない”のは間違い
「ありがとう」が目標の人は、割と自分のやることが成果に繋がっていないんじゃないかと悩んでしまう傾向にあります。
しかし、世の中にはトラブルが起こらないことが求められている仕事がたくさんあります。
わかりやすい所では事務職なんかがそうです。
問題がなく、会社が回っていることが一番望まれることで、当たり前に会社が回れば感謝するべき相手がいること自体、気付く人がいなくなります。
トラブルから回復した時は感謝されると思いますが、そんなにトラブルが起きようものならそれは会社としてヤバイです。。。
どのような状況であっても、自分のやる気を保つことができ、成長しているかを実感することができるためにも、相対目標は必ず絶対目標にまで分解するべきなのです。