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人と比べるから具体的な目標が見える|絶対目標は相対目標から生まれる

前回の記事では「相対目標がダメな理由」を書いています。

しかし、今回は逆に相対目標が優れている点について書きます。

 

■関連記事:絶対目標と相対目標

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人は“比較すること”に慣れている

「あいつよりはマシだ」「●●さんを見返してやる!」「トップを目指す」

何かを基準にしてものを考えること/比較することは、日常的に行われています

「そば屋Aは安いけど味はそこそこ、そば屋Bはそれなりの値段だが味は確か」

こうした会話でも、そば屋Aの値段は通常の食事代基準で見れば安く、そば屋Bは他の店に比べて満足できる味であることがわかります。

つまり、比較することは人との会話や自問自答する時も、短時間でイメージがわきやすいというメリットがあるのです。

 

どこを比較したか?比較物との差は何か?

そして、比較する際に何を基準にしていたかが目標を立てる上では非常に重要になってきます。

例えば「業界シェアの1%を獲得する」という場合。
ここで言うシェアとは販売数or売上なのか等、その基準は何かを明確にします。
そして、そこまで自社ではどれくらい足りていないのか?=あとどれくらい伸ばせば目標達成なのか=その数が絶対目標となります。

これは能力の場合も同様です。
●●さんのように自信をもって説明できるようになる」という相対目標を立てた場合。
自分の説明に自信を持てない原因は何なのかを考えます。
練習量なのか?事前準備なのか?アドリブができていないのか?
すると“どうすればいいか”という行動にまで落としこむことができます

あとはどのレベルまで自分の行動を深められるか。
説明練習を1日3回し、1回の説明は5分でまとめられるようにする、とまで行くと、自然と行動→成長へとつながっていきます

 

目標への進度を明確にするために絶対目標に変換しておく

相対目標はその目標を掲げる意味を認識しやすくなります
例えば、地ビールメーカーのヤッホーブルーイング社は「地ビールがビール産業にインパクトを与えるために、シェア1%を目標としています」と言うのは、目標とそれを掲げる意味がわかりやすいためです。
自分たちの作った地ビールが、日本のビールの価値観を変えるために必要なシェアとして1%を目標としているのです。

しかし、いざ行動に落とし込もうとした時に「シェアの1%を獲得するって、具体的にいくら獲得すれば良いのか」頭のなかで変換しなければならないというデメリットが生じます。些細なように思えて意外なほどこの変換ロスは大きいのです。

「徒競走で1位をとるために練習する」を目標を掲げて毎日走るよりも、「100m走で9秒58を出せるように練習する」とした方がわかりやすいし、練習の時にどれ程足りていないか/目標に近づけているのかがわかるのです(ちなみに100m9秒58は2016年時点の世界記録)

 

相対目標は「●●さんに憧れて!」などと言える程、すぐに設定しやすいものです。
しかし、目標を掲げているのに実現することができないのは、自分の努力も評価することができないためです。

だからこそ、相対目標を掲げたあとは絶対目標にまで落とし込んだほうが良いのです。